前回は想定よりも米株の戻りが強く、戻り天井になるか上に突き抜けるか、戻りの正念場だと書きました。
15日に発表された注目の米CPI(消費者物価指数)は、コア上昇率で前年同月比3.6%で3月の3.8%から鈍化して、2021年4月以来の小幅な上昇率にとどまりました。
これを受けて15日に米株はNYダウ、SP500指数、ナスダック指数が揃って3月につけた史上最高値を抜きました。米株の実勢を示すSP500指数は、一気に3月につけた取引時間中の史上最高値5264を抜いて新高値となりました。昨年7月の天井打ちから下げに転じた局面では、SP500指数は下げ幅の75%戻したところで止まり戻り天井を付けて下げていきましたが、今回は史上最高値更新です。
また昨年はSP500指数の週足チャートは7月の最高値から3本連続陰線で下げて、そこから2本連続陽線で反発して戻り天井となりました。これに対して今回は3月の最高値から週足が3本連続陰線で下げに転じたのは同じですが、その安値から先週で3本連続陽線で戻して「赤三兵」の形になり、今週史上最高値更新となりました。前回これと同じパターンになったのが、2020年9月から10月にかけての局面で、やはり高値から3本連続陰線で下げて、そこから3本連続陽線の「赤三兵」で戻りに転じ、それが調整完了シグナルとなって年末に向けて更に上昇していき、2022年1月の高値まで上昇トレンドが続きました。前回書いた通りです。
SP500指数の週足チャートは2週線と13週線もゴールデンクロスしましたが、これも前回は昨年11月に4415でゴールデンクロスして、そこから今年3月の高値5264まで19.2%上昇しました。
このように米株は3月高値からの調整局面が終わり、新たな上昇相場が始まったと見るべきであることをチャート面からは示していましたが、CPIの発表で安心感が取り戻されて史上最高値を更新したわけです。
日本株も米株がふたたび強気上昇トレンドに戻って新高値となったので、日経平均やTOPIXもSP500指数に続いて3月に付けた最高値を抜きに行くことが期待されます。大型株から小型株まで幅広く目配せをして取り組みましょう。特に決算発表が終わって大幅増益や自社株買いなどが発表されて強い形を確認したものを順次狙っていきましょう。
は今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。