早見は米株について上昇基調に変わりなしという強気の見方を変えませんでしたが、トランプ氏に対する暗殺未遂という衝撃的な事件が起きたことで、大統領選挙でトランプ勝利の可能性が一気に高まりました。このためトランプ氏の政策や発言に沿って、米株市場では半導体を中心とした流れから、オールドエコノミー株に見直しがなされて、NYダウがひときわ大きな値上がりを見せ、終値ベースでは7月10日から17日までで合計1900ドル以上も値上がりして史上最高値を更新しました。
また重要な各種経済指標が相次いで弱い数字になったことから、9月にFRBが利下げを実施する可能性が極めて大きくなったので、大型株から小型株への資金シフトも起きて、米株の中でも小型株の指標であるラッセル指数が、これまた10日から16日にかけて5日連騰で強烈な値上がりを見せて、2022年1月以来の高値になりました。逆にSOX指数(半導体株指数)は、17日に6.8%も下げて、1日の下落率としてはコロナ暴落の時の2020年3月以来の大きな下げになり、NYダウやラッセル指数とは正反対の劇的な変化です。
トランプ氏は米国ファーストの考えであり、政権に返り咲けば減税や規制緩和、インフラ重視など米経済の活性化につながる政策が期待されます。米国の製造業を復活させるためにドル安を望む考えを表明しているので、トランプ氏は日本の円安には一貫して批判的です。
そこへもってきて9月に迫ってきた自民党の総裁選を控えて、有力候補である河野太郎氏が、日銀に対して利上げを求める発言を行なったことから、日米双方の次の政権の有力候補から政治的に円高圧力をかけられる包囲網のような展開となり、ドル円も161円台から一気に155円台へと大幅な円高にぶれてきました。円買い介入に加えて政治的にも円安に歯止めがかかった形です。
日米ともに米国の弱い経済指標とトランプ暗殺未遂事件で、相場の中身が大きく変化してきました。実際日本株も日経平均は11日のザラ場高値4万2426円から19日の安値3万9824円まで2,602円下げましたが、その一方で東証小型株指数は新高値。東証スタンダード指数もスタンダード市場が発足して以降での最高値を更新しています。グロース250指数も今週は終値としては4月10日以来の高値まで上昇しています。
既に前回の当コーナーで「半導体関連株がにぎわう中で次の新たなターゲットにも買いの手を伸ばしていただく方針だ。」と書いておきました。このところ着実にグロース市場の弁護士ドットコム(6027)や米国の金利低下で恩恵を受ける住友林業(1911)など、週刊レポートや有料情報で買いの手を伸ばしていただき、次々に値上がりのヒットになっています。引き続き新しい流れもしっかりと追いかけていきます。
は今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。