日経平均は7月11日のザラバ高値4万2426円から大きく下げました。大きなとらえ方では非常に警戒すべき状況です。7月の日経平均の月足チャートは史上最高値で長い上ヒゲの陰線になりました。アベノミクス相場が始まって以降では2013年5月の2,105円幅の上ヒゲ以来です。前回はその13年5月の高値1万5942円から翌6月の安値1万2415円まで3,527円値下り、率にして22.2%の下げとなりました。週足チャートでは2週線と26週線がデッドクロスしました。これは昨年10月の底打ち以降で初めてです。
そして最も警戒すべきなのは、7月の日経平均の月足チャートが史上最高値で陰線包み足の形になったことです。日経平均の月足がずっと上げてきて最高値で陰線包み足になったのは、前回は2020年1月で、そこからコロナ暴落に突入していき、結局2020年1月の最高値から3月の最安値まで32%もの下落率となりました。前々回は2018年10月に2万4449円の高値をつけた時で、そこから12月の安値1万8948円まで22%下げました。さらに2015年のダブル天井で8月の高値2万946円で陰線包み足になった時も、そこから2016年2月の安値1万4865円まで29%も下げました。このように日経平均の月足が最高値で陰線つつみ足になった時は、アベノミクス相場が始まって以降3回とも全てその高値から2~3割下げているのです。したがって今回も短期的には反発局面入りとしても、大きなとらえ方では前回「7月の史上最高値4万2426円を抜くのは容易なことではない」と書いた通りです。
今週は日銀が金融政策決定会合で0.15%の利上げを実施しましたが、それに伴いドル円は148円台まで円高が加速しました。日銀総裁は会合後の会見でさらなる利上げも示唆しています。早見はこのところ異次元の円安も限界と見て、食品、小売り等円高メリットの関連株に重点を置いて、週刊レポートやセミナーなど色々な場で取り上げてきました。
円安から円高へ、金融緩和から引き締めへと大きく流れは変わりました。今まで以上にそうした流れに乗っていくことが必要です。
は今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。