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過大に期待せず淡々と見る2024.12.06

 日経平均は10月15日に4万円台を回復したところで作られた日足チャートのアイランドリバーサルの悪い形を解消することが出来ず、月足チャートでは10月末でMACDがデッドクロス。さらに11月の月足は陰線になるという嫌な形での11月相場でした。

 米株はNYダウとSP500指数に続いて今週はナスダック指数も史上最高値を更新しました。これで米株の主要な3つの株価指数はすべて史上最高値を更新しました。

 今週はTOPIXが強さを回復して、7月の最高値と11月の戻り高値を結んだ右下がりの上値抵抗ラインを突破。東証銀行株指数も先週は最高値で週足が陰線包み足になり警戒シグナルが点灯しましたが、今週はあっさりと高値を更新して陰線包み足をクリアしました。前回も書いたようにTOPIXは日経平均ほどには悪い形ではありませんでした。

 12月に入ってから日本株はとりあえず落ち着きを取り戻しています。その背景にあるのは、前回書いたように9月中間決算の配当金再投資に伴う買いがあります。今回の中間配当金は総額8兆円規模と推定されていますが、TOPIXベースで1株当たりの配当金は2005年以来の高水準とのことで、今年の自社株買いも過去最高となる見込みです。ちなみに2005年というのは小泉郵政改革相場で日本株は大きく上昇しました。

 更に今週は相場全体に良いサプライズになった材料が2つ出てきました。ひとつは厚労省が12月2日の社会保障審議会の資金運用部会で、公的年金を運用するGPIFの運用利回り目標を現在よりも0.2%引き上げる方針を提示したことです。利回り目標は5年ごとに見直しますが、この目標利回り引き上げ方針により、GPIFの株式比率が高まるのではないかとの観測が強まりました。

 もうひとつは2日に米政府が対中半導体規制強化を発表しましたが、日本は新規制の対象外としたため、半導体関連株に安心感が広がりました。

 11月相場は重苦しく悩ましい相場の展開でした。特に日経平均が嫌な形になっていましたが、12月相場はTOPIXが上にブレイクアウトしてきました。今月のTOPIXの月足は現時点で3本連続陽線です。このまま今月陽線で確定すると前回昨年1月から8本連続陽線で大きく上げていった時以来です。年末年始高への期待を持ちながら、なおかつ過大に期待もせずに淡々と見ていきたいと思います。

当レポートは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・一部修正したものになります。

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