日経平均は10月15日に4万円台を回復したところで作られた日足チャートのアイランドリバーサルの悪い形を解消することが出来ずに調整局面が続いてきましたが、今週も25日にまたアイランドリバーサルの形で戻り高値をつけました。日経平均が7月に史上最高値をつけた後、早見は一貫して「日経平均が7月の史上最高値を抜くのは容易なことではない」と繰り返し言い続けてきましたが、10月、11月とアイランドリバーサルを連発して、なおかつ7月の史上最高値から10月、11月と戻り高値を切り下げています。
しかも日経平均の月足チャートでは10月末でMACDがデッドクロスしました。前回は2021年11月末の2万7821円でデッドクロスして、そこから22年3月の安値2万4681円まで11.2%下げました。
そのうえに今月の日経平均の月足は陰線になっています。今月陰線で確定した場合の見方については、11月16日の東京セミナーであらかじめ解説しておきましたが、非常に良くないパターンであることをセミナーで話しました。
米株は今週NYダウとSP500指数が史上最高値を更新しました。ナスダック指数もあと一息で新高値です。なんだかんだと言われながら新高値になっている米株に比べて日本株のあまりの不甲斐なさは、そのまま国力や政治力の差と言ってもいいでしょう。来年は第二次トランプ政権がスタートするわけですが、安倍政権の時と違い今度のトランプ政権は日本にとって非常に厳しい、冷たい政権になるとみられます。30年ぶりの少数派内閣となった石破首相では、関税問題などでとても猛獣トランプに太刀打ちできないでしょう。そうした日本の存在感がどんどん低下している流れの中で、日本株に投資魅力が高まると考える方が甘すぎると言えます。
目先的に期待できるのは、9月決算の配当金が、これから少なくとも7兆円ほど株式市場に再投資の形で還流することです。これがどの程度日本株を支えるかがとりあえずの注目ポイントです。
一方で12月は米FRBが利下げ、日銀が利上げする可能性があり、日本にとっては円高圧力がのしかかり、今週はドル円が149円台まで急速に円高になって、日本株全体に重苦しいムードを投げかけています。TOPIXは日経平均ほどには悪い形ではありません。
東京株式市場は円高・株安の流れで色々突破口に悩む展開になりそうです。
当レポートは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・一部修正したものになります。