今週は総選挙の結果、自公の与党合計でも過半数を下回り、無所属で当選した議員を自民党が追加公認しても過半数には届かないという予想以上の与党大敗北になりました。2009年の政権交代以来の政治の危機になっています。
幸い自民党に政策が近い国民民主党が議席を大幅に伸ばしたので、連立政権には参加しなくても政策ごとに連携する部分連合の可能性があるということで、その分ショックが和らぎました。また石破首相は続投を表明したものの、求心力は大きく低下して比較的早く退陣に追い込まれる可能性があります。総裁選の時から株式市場で最も嫌われていた石破首相が退陣するのは好材料ですから、そこにも期待感があるということで今週は日経平均が月曜日から急反発に転じました。ただし、ぬか喜びは禁物です。
チャート的には日経平均の日足チャートでアイランドリバーサルの悪い形は解消されていませんが、一方で前回も書いたように今月はTOPIXの月足チャートが最高値から4ヵ月連続陰線になるかどうかが大きな注目ポイントでした。もし天井打ちの後最初の4ヵ月連続陰線となれば、2007年11月から2008年3月にかけての5ヵ月連続陰線以来で、前回はその後6月にかけて戻したものの、2008年後半にリーマンショックの大暴落になったので、今回もどうなるか見ていましたが、幸い今週の反発で今月のTOPIXの月足は陽線に変わり、4ヵ月連続陰線を回避しました。
続いて来週11月5日は、いよいよ米大統領選の投票日です。7月のセミナーから話してきたのは、「支持率が拮抗して接戦状態で推移するが、しだいにトランプが勝つのではないかという空気が高まってくる。しかし終わってみれば民主党のハリス当選ということになり、前回の大統領選の時の混乱が再現されるのではないか」というのが私の読みでした。今まさにそのとおりのコースでここまで来ています。直近では賭けサイトのオッズや激戦州の支持率はトランプ優勢が示されるようになっていますが、果たして来週の選挙結果で7月からお伝えしておいたように結局ハリス当選ということになるかどうか、これまた予断を許さない状況で株式市場に大きな波乱要因になる可能性があります。
今週は10月の東京セミナーで注目株に取り上げた助川電気(7711)が8日間で約57%も値上がりというホームランになり、同じくディスコ(6146)も8日間で約2割高のヒットになりました。チャート的に良い形になるものが次々に出ており、特に小型株に狙いをつけていきたいと思います。
当レポートは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・一部修正したものになります。