7月27日の早見の東京セミナーで、日経平均の7月の月足チャートが史上最高値で陰線包み足の典型的な天井打ちの形になったことを指摘して、「日経平均の月足がずっと上げてきた後、最高値で陰線つつみ足になった時は、アベノミクス相場が始まって以降3回とも全てその高値から2~3割下げている。」とお伝えしました。案の定今回も日経平均は7月の史上最高値から8月5日の安値まで26.6%下げて、これでアベノミクス相場が始まって以降で4回連続で高値から2割以上の下げという同じ形になりました。
日経平均は8月5日にブラックマンデー級の暴落に見舞われましたが、1987年10月20日のブラックマンデーの大暴落で3,836円安となった時は、翌21日に2,037円高と猛烈な反発を見せて、翌々日の22日も457円高と続伸しました。しかし戻りは2日間で終わってしまい、23日には1,203円安と再び下げに転じて11月11日のザラ場安値まで大きく下げて底割れになっていきました。つまり大暴落の後いったん急反発してから、再度大きく下げて二番底をつけに行ったのです。このように暴落の直後急反発することを「デッドキャットバウンズ」(死んだ猫でも高いところから落とせば、地面にあたってはね返る)と言います。つまり本当の意味での大底打ちではないという現象です。
今回も8月5日に日経平均が4,450円安と暴落した後、翌日3,217円高、翌々日414円高となっており、ブラックマンデーの時と全く同じ歩みを見せています。もちろん今回もこれから全く同じ形になって推移していくと断言はできません。
2020年3月のコロナ暴落の時もブラックマンデーのように短期間での暴落で、二番底になっていくことが懸念されていました。しかしあの時は結局3月の最安値を割り込むことはなく再び上昇基調に戻ったので、早見は4月のさくらインベストセミナーで「これ以上の暴落を心配するよりも、いかに買っていくかを考えるべきだ」とお伝えして、5月に「もう大丈夫だ」と安全宣言を出して正式に強気に転換しました。そこから日経平均は本格的に上昇していきました。
このように暴落の直後は、そこからある程度時間をかけて相場の推移を見守る必要がありますが、今回の短期間での歴史的な暴落が、果たしてブラックマンデーと同じく二番底を取りに行くか、それともコロナ暴落と同じく二番底は無くて済むか。ということを見極める必要があります。
まだ相場全体は不安定な局面ですが、その中で大暴落の8月5日に逆行高になった株は要注目です。あのブラックマンデーの最悪の暴落の日にも逆行高の株がありました。一緒になって大きく下げずに強さを保った株を狙うのは暴落局面でのセオリーです。
は今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。