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円高と自民党総裁選の情勢が左右する日本株2024.09.13

 早見は「日本株は円高圧力がのしかかっており、日経平均とTOPIXが7月の史上最高値を抜くのは容易なことではない」と指摘してきましたが、今週はドル円が140円65銭まで円高が加速して、7月初めにつけた161円台の円安ピークから2ヵ月で約13%もの円高になったので、これが日本株にとっては足を引っ張る要因になっています。

 ドル円の月足チャートでは、8月末で12ヵ月線が下向きに転じました。これは2021年1月に102円台で底打ちして今年7月の161円台までの大きな円安トレンドで初めてです。

 今回と同じように長期にわたり大きな円安トレンドが続いた後に12ヵ月線が下向きに転じたのは2016年2月以来です。前回はアベノミクス相場の進展とともに、2012年9月の77円台から2015年6月の125円台まで円安が続きました。それがピリオドを打って2016年2月末の112円台で12ヵ月線が下向き、以後2016年6月の99円台までさらに円高が進みました。

 この2015年6月の円安ピークから16年6月の円高底打ちまでの1年間の日経平均を見ると、2015年6月の高値2万952円から、16年6月の安値1万4864円まで29.1%下げました。円高と日経平均の下落がピタリ一致していたわけです。したがって今回も円高が止まらないと株価には重荷です。
 
 一方米株はSP500指数が7月以降終値ベースで5648~5667のところで強力な上値抵抗ラインが作られています。今週は急反発で5595まで戻していますが、この上値抵抗ラインを突破するとブレイクアウトの形になります。今月のFOMCでの0.25%利下げは織り込まれていますが、果たしてブレイクアウトしてくるか今月後半の大きな注目ポイントです。

 自民党の総裁選に関しては、私自身は高市早苗氏を支持していますが、8月24日さくらインベストセミナーと9月7日の東京セミナーで、「あくまでも現時点での見方だが、小泉進次郎氏が当選して、小泉新政権が誕生する」という読みをお話ししました。小泉氏は新政権発足後すぐに解散・総選挙を実施すると明言しており、9月27日新総裁誕生、10月1日臨時国会召集で総理大臣に指名、直ちに解散となれば、最短で10月27日投票での総選挙が可能になり、遅くても11月前半に投票ということが考えられます。日本株にとっては解散・総選挙は株高要因です。戦後25回の総選挙は、その内の20回が解散日から投票日まで上昇していました。勝率8割です。したがって9月27日の総裁選投票日に向けて小泉氏優勢が濃厚になってくると、10月相場での先高期待が出てくるかもしれません。総選挙で勝つための新総裁選びですから、解散・総選挙=株高の図式でとらえておきましょう。

当レポートは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

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