早見は「日経平均とTOPIXが7月の史上最高値を抜くのは容易なことではない」と指摘してきましたが、今週はドル円が139円台まで円高が加速して、日本株の足を引っ張りました。
一方米株は、主要な株価指数の中で先頭を切ってNYダウが史上最高値を更新しました。米株の実勢を示すSP500指数も7月以降終値ベースで5648~5667のところで強力な上値抵抗ラインが作られていましたが、今週はFOMCで0.5%利下げが決まり、SP500指数も5,713まで上昇して、2ヵ月ぶりに史上最高値を更新しました。
自民党の総裁選に関しては、9月7日の東京セミナーで、「9月27日新総裁誕生、10月1日臨時国会召集で総理大臣指名、直ちに解散であれば、最短で10月27日投票での総選挙が可能になる」と話しました。その後今週は自民党が10月1日に臨時国会召集を野党に伝えたので、9月セミナーで話したスケジュールに沿って動いています。
日本株にとっては解散・総選挙は株高要因です。戦後25回の総選挙は、その内の20回が解散日から投票日まで上昇していました。勝率8割です。したがって10月相場での先高期待が出てくるかもしれません。
株式市場にとっては高市政権誕生がベストシナリオであり、石破政権誕生なら失望感が強まるだろうということはハッキリしています。小泉政権誕生は好悪が分かりにくく判断に迷いますが、早期に解散・総選挙を実施して自民党が勝利するなら、株式市場は「選挙は買い」というのが基本になると思われます。
実際9月9日に発表されたQUICK月次調査では、市場関係者&投資家の合計で「株式市場から見て望ましい」のは高市氏が29%でトップでした。しかし、この月次調査では「当選の可能性が高い」のは小泉氏が78%で断トツでしたから、理想と現実の違いを市場関係者や投資家も認識していることが表れています。また今週共同通信が発表した調査でも、総裁選の投票資格がある人を対象にした支持率では小泉氏が27.9%、高市氏21.4%、石破氏19.7%となっています。早見は個人的には一貫して高市早苗氏を支持していますが、ここへきて失速気味とはいえ、依然として小泉政権誕生の可能性は十分にあります。株式市場にとっては最悪の石破政権誕生の可能性もゼロではありません。もちろん選挙は水モノであり、しかも決選投票での1位と2位の組み合わせによって変わりますし、今回は派閥の締め付けがほとんどないので、まったく不透明です。新総裁が決まってから判断するしかありません。
当レポートは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。