年明けはまず中国の株価が急落して、年明けの下げとしては2016年1月以来9年ぶりの大幅安でスタートしました。その2016年1月は、その後上海総合指数が大きく崩れました。
続いて米株もナスダック指数が12月に週足チャートが史上最高値で陰線包み足の形になり、年明けも1月6日の戻り高値からの急落で、週足は再び陰線包み足になりました。NYダウは25日線と75日線がデッドクロスしましたが、これは昨年5月の安値以降で初めてです。
日本株も日経平均は12月27日の高値4万398円から今週の安値3万8055円まで、あっという間に2,343円下げました。週足チャートは今週で3本連続陰線で下げてきており、昨年7月に史上最高値を付けて下げに転じた場面以来半年ぶりで、前回はそこから8月の暴落に発展しました。
そして日米ともに金利の上昇が大きくなり株価を圧迫していたわけですが、金利がどんどん上昇してきているということは、債券相場が崩れているということです。このように年明けから早速株価や債券相場に崩れが目立ってきて、このまま本格的に崩れるのかどうかという不安が出ていました。
しかし15日に発表された米CPI(消費者物価指数)が落ち着いた結果となり、米経済は雇用は強いがインフレ懸念は薄れたという理想的な形となり、利上げ観測が後退して利下げ期待で米金利は急低下、米株は急上昇となりました。これによりNYダウの週足は今週一転して直近の下げの最安値で陽線包み足の形になりました。昨年は1月、9月、11月の3回週足が陽線包み足となり再び上昇に転じていきましたが、今回も同じ形になるかどうか注目されます。
最も弱かったナスダック指数も12月16日の史上最高値から1月13日の安値までの下げ幅の54%を戻して、SP500指数も12月6日の史上最高値からの下げ幅の58%を戻して、どちらも一気に半値戻りを突破しました。したがって米株は年明けからの不穏な形がひとまず解消されてきて、株式市場に安心感をもたらすムードに変わりましたので、まずはホッとひと息というところです。
いよいよ来週1月20日にトランプ大統領が就任しますが、果たして世界のマーケットにどのような影響が出てくるか、すべてはこれからです。市場ではトランプ政権発足直後からビットコインなど暗号資産に対する追い風が吹くことを期待するムードが広がっていますが、一方日本は来週24日に日銀の金融政策決定会合の結果が発表されますが、ここで利上げが実施されるかどうかが大きな焦点になっています。
当レポートは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・一部修正したものになります。