米中貿易協議の進展が見られるということで安心感が高まり、リスクオンの形で日米欧の株高基調が続いています。NYダウ、S&P500、ナスダックのアメリカの主要な3つの株価指数は揃って過去最高値を更新しました。
東京市場も日経平均が今週2万3500円台に上昇して、昨年10月以来1年1ヵ月ぶりの高値になりました。その昨年10月に付けたアベノミクス相場の最高値である2万4448円から12月の突っ込み安値1万8948円までの下げ幅の84%を戻しました。短期的な警戒感を跳ね返しながら、ここまで上昇基調が続いています。
8月の底値以降ここまで意地になって弱気の売りポジションを取り続けてきた投資家が買い戻し・踏み上げに追い込まれる形になっています。私がラジオ番組で売り方が買い戻し・踏み上げに追い込まれていくだろうと注意、指摘したのが9月5日でした。その日に日経平均は急上昇して8月相場の底値ボックスを上に放れ、最初のブレイクアウトになりました。
次に10月相場で4月と9月に作られていた2万2200円台~2万2300円台にかけての大きな上値抵抗ラインを半年ぶりに突破して、第二の大きなブレイクアウトになりました。
そのことを先日の東京セミナーでもお話ししましたが、9月5日の最初のブレイクアウトで気付けなくても、第二の半年ぶりの大きなブレイクアウトではさすがに気付くべきで、意地になって弱気に凝り固まっていた投資家は完全に読みを誤ったわけです。
日経平均は10月末に5ヵ月線と12ヵ月線がゴールデンクロスしました。これはアベノミクス相場に入ってから4回目で、過去3回はいずれもその後、中長期的に一段高になっていったことを既にお知らせしました。短期的な警戒感はあるにしても、大きな捉え方とは切り離して考える必要があると、前回の当コラムでもコメントしました。
今月は日経平均の月足MACDもゴールデンクロスしてきました。TOPIXもまったく同じ形であり、日経平均だけがいびつな値上がりをしているわけではありません。
また、新興市場もジャスダック平均がやはり10月末で5ヵ月線と12ヵ月線がゴールデンクロスしていました。さすがにひと押しほしいところですが、相場全体については短期的なひと休みと大きな方向性は別のものだと考える必要があります。
※このコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋・追記したものになります。