上場企業の16年3月期決算の発表が本格化する。最も発表が多いのは5月13日で、その日だけで全体の31%にあたる約740社の発表が集中する。
既に指摘されているようにこのところの国内景気の悪化や、円高により企業業績は厳しさを増してきている。特に円高が業績に与える影響は大きい。ドル円は1月末には121円台だったのが、4月半ばには一時107円台まで大幅に円高となり、現在も111円台だ。この円高により自動車や電機業界を中心に業績が悪化するのは避けられない。
17年3月期の見通しも発表されるわけだが、業績予想の前提となる想定為替レートを従来よりもさらに円高方向に設定する企業が多くなりそうだ。それがどの程度の水準になるか、注目している投資家が多い。
企業側としてはこのような環境から見て17年3月期の業績予想を控えめに見積もるところが多くなりそうで、ニッセイ基礎研究所では17年3月期の予想については5~8%程度の減益になるという見方を示している。
日経平均は2月の安値から今月の高値まで戻してきたが、これから発表される企業業績を受けて、戻り限界の水準がどの程度になるのか見極めることになるだろう。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。