トランプ政権が発表した2019会計年度の予算教書で、今後10年間の財政赤字が7兆950億ドル(約770兆円)に達するという試算が示された。これは昨年の見通しに比べて財政赤字が2倍以上に膨らむ形になっている。
医療保険制度オバマケアの見直しや、低所得者向けの食糧支援などを削るが、一方で国防費を毎年増やし、老朽化したインフラの大規模な改修事業などで歳出が拡大していく。
今年11月の中間選挙を睨んで有権者を意識して財政拡大、景気対策、大型減税といった有権者に受けが良いと思われる方向に舵を切った形だ。
しかし、こうした大幅な財政赤字拡大で国債の発行が増えることにより、アメリカの長期金利が更に上昇していくことが懸念される。既にアメリカの10年国債の利回りは約4年ぶりの水準まで上昇しているが、今後も更に金利の上昇圧力が強まることにより、株式市場に更に波乱要因となることも十分に考えられるので、引き続きマーケットは波乱含みと言えるだろう。
■NYダウ 月足
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。