経営不安問題で大揺れとなっているシャープ(6753)だが、株価はここ直近で再び急落し、10月9日に150円まで下げて8月15日の安値164円を約2ヵ月ぶりに下回り、再び底割れとなった。これで41年ぶりの安値まで売り叩かれてきた。
取引金融機関は3600億円の融資を決め、今年度中の資金繰りについての不安はひとまず解消された。
しかし、肝心のホンハイ精密工業との提携交渉が一向に進展せず、10月6日付の読売新聞ではホンハイがシャープに対して収益源の中小型液晶事業を分社化して両社の合弁事業にするよう求めていることが報じられた。シャープ側ではとても受け入れられる条件では無いと見られており、提携交渉の行方に改めて不透明感が広がった。
ここ直近ではシティ証券が目標株価を180円から110円に引き下げたほか、ゴールドマン・サックスも175円から120円に引き下げ、投資判断も「中立」から「売り」に引き下げたため、投資家の不安が再燃し、再び株価が急落した。
一部の報道ではシャープはホンハイとは別にアメリカのインテルとも出資交渉を行っており、今月中の合意を目指しているとされているが、いずれにしてもまだ具体的な進展が何一つ出てきていない。
当面の資金繰りは不安がなくなったとはいえ、肝心の経営再建の柱になる提携交渉がまとまらないのはやはり大きな問題点である。このためニュース一つで株価の急反発もあり得るものの、依然として下値不安が解消されていない。
この株は推奨銘柄では無いが、投資家の関心が高いので折に触れてコメントを行っているので参考にしていただきたい。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。