東証は7月22日から第1部上場のTOPIX100構成銘柄の値刻みを1円未満に細かくすることになっている。
現在は全銘柄が最低でも1円刻みで変動しているが、今後はTOPIX100構成銘柄については、1000円以下の株は10銭刻み、1000円以上5000円以下は50銭刻みに変更される。5000円以上の株は従来通り1円刻みとなる。したがって、株価が現在300円台の新日鉄の場合、今後は310円10銭というような株価がつくことになる。
対象となるのは、こうした日本を代表する時価総額が大きくて売買が多い主力銘柄だが、これによりデメリットがあるのは個人投資家だ。例えば株価200円の銘柄を1万株買い、201円で売却すれば1万円の利益が得られることになるが、今後は10銭刻みになるので、200円で1万株買い、200円10銭で売却しても利益は1000円にしかならない。
細かい値幅で頻繁に売り買いするデイトレーダーのような個人投資家にとっては非常にやりにくくなることが指摘されている。一方で東証の売買代金の6割は外国人投資家が占めているので、大量の注文を入れる機関投資家にとっては売買をしやすくなり、メリットがある。
全体の流動性を高めるためには大口投資家にメリットがあるようになるが、いずれにしても7月22日に変更になるので注意していよう。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。