上海総合株価指数は6月の最高値から7月9日の安値まで34・9%も大きく下げた。その後当局のなりふり構わぬ異例の非常識なテコ入れ策で、7月24日に4184まで反発していたが、今週に入ってから再び大きく崩れ、28日には3537まで下げて、7月9日の最安値3373に近付いてきた。
前回は200日線でピタリと下げ止まった形だが、今回も200日線のところまで下げてきた。中国経済の減速傾向も背景にあり、改めて不安心理が高まってきたが、我々の常識では考えられない対応策を打ち出してくるのが中国の特徴であり、読みが非常に難しい。
更なる利下げなどオーソドックスな対策を打ち出してくる可能性も十分にある。今月のセミナーでお話したが、中国は国家安全法により国を揺るがすような経済活動の危機には断固たる措置をとる体制になっている。
今月は上海総合株価指数の月足MACDが下向きに転じており、6月相場が非常に大きな陰線つつみ足で天井を打ってもいるので、基本は調整局面であることに変わりはないが、いつ再び目を丸くするような対応策が飛び出してくるか全く予想出来ない。
日本にとってはこの株価暴落により、訪日観光客の目に見えての減少がハッキリしてくるかどうか気になるところだ。インバウンド関連株を見ていく上でそうした面での様子の変化にも注意しておきたい。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。