波乱の中国株2013.06.28

中国の株価が非常に大きな値下がりを見せている。上海総合株価指数は5月29日の高値2334ポイントから、6月25日の安値1849ポイントまで短期間で約21%下落した。このところの日本の株価の大きな値幅調整と同じ形になっている。6月25日は大きく突っ込んだ後、V字型の強烈な切り返しとなり日足チャートは長い下ひげを引いたので、ひとまず下げ止まった気配を見せている。

25日の夜、中国の中央銀行にあたる中国人民銀行は複数の金融機関に対して、緊急に流動性資金を供給したことを発表した。マーケットでは中国の金融当局が何も手を出さずに放置するのではないかという不安感が広がっていたので、この資金供給でホッと一息ついた形になる。根底には中国が抱えている闇資金などの根深い問題があるので、そう簡単にすぐ問題が解決できるとは思われないが、同時に今回の資金供給のように最悪の状態になるまで手を打たないということも考えにくい。

約40年に渡り市場指標を研究してきた専門家が、上海総合株価指数について「2月以降無かった買いシグナルが点灯した」と発表したことをブルームバーグが伝えた。

この買いシグナルは6月21日に点灯したということだが、6月21日の終値2073ポイントから25日の安値1849ポイントまで一段安にはなったものの、人民銀行が資金供給を行ったこともあり、若干のずれはあってもやはり逆張り的な投資のタイミングになった可能性もある。当局が動いた以上ここはしばらく冷静に成り行きを見守っていくべきだと思う。

※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。

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