ここしばらく原油からは遠ざかっていたが、ニューヨークの原油相場は終値ベースで今月20日の40ドル39セントで底打ちし、24日に42ドル87セントまで反発してきた。12月にOPEC総会があるが、ここへきてサウジアラビア国営通信がサウジ政府は、石油市況安定のために各国と全面協力する方針であることが報じられた。
このため12月のOPEC総会で原油の減産が決まるのではないかという思惑が台頭してきた。
既に早見もセミナーの場で12月のOPEC総会で原油減産が決まる可能性がある事はお話したが、サウジアラビア国営通信の報道であり、軽く見るわけにはいかない。
ISに対する各国の軍事作戦も厳しくなった。中東は緊張が高まる事があっても緩むことはない。加えて冬場の需要期に入り、そこにもし減産が決まるとすれば、原油相場が急上昇する可能性があり注意が怠れない。
世界的な在庫が過去最高水準に積み上がっており、サウジアラビアを始め、産油国の財政状態も厳しさを増しているので、12月のOPEC総会は要注目と言える。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。