一昨年夏以降、大暴落を開始した原油相場は今年に入ってからも下げ止まらず、WTI原油は年明け1月4日の終値36ドル台から19日には28ドル台まで更に下げて、2003年11月以来の安値に落ち込んだ。原油先物市場のカラ売り残高は2006年以降最大に膨れ上がり、買い残は約5年ぶりの低水準になっている。
一方で月足チャートを見ると、24ヵ月線とのカイリ率は約マイナス58%にまで拡大しており、リーマンショックの大底になった2009年1月のマイナス51・6%を上回っている。瞬間風速では2008年12月にマイナス61%まで拡大した場面があり、今回も更に一段の突っ込みがあり得るが、カラ売りが大量に積み上がっているので、何らかのきっかけにより急反転する可能性も出てくるので、今年は良くも悪くも大きな波乱があるだろう。
総悲観の中で相場は大底を打つということもあり、慎重に見て行きたい。もちろん2001年の底値17ドル台を目指して更に大暴落する可能性も十分にある。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。