世界の政治や経済、そのほか様々な分野を大揺れにしかねないパナマ文書問題が衝撃となって世界中に広がってきている。
これはタックスヘイブン(租税回避地)への法人設立を代行するパナマの法律事務所モサック・フォンセカから金融取引に関する過去40年分の内部文書が流出した問題だ。ハッキングによる文書流出が疑われているが、原因はともかくこの内部文書には1150万点に上る資料があり、世界各国の現在や過去の指導者12人の他、オフショア企業、その他スポーツ選手や芸能人に至るまで128人の秘密の金融取引が記載されている。
ロシアのプーチン大統領の10億ドルに上るオフショア資産や、中国の習近平国家主席の名前も挙がるなどスキャンダルが広がっている。既にこれを受けて北欧のアイスランドの首相が辞任を表明する事態にまで発展しており、今後どこで火の手が上がるか全く分からない。
今年は昨年12月に発売した『九星気学と干支からみた2016年大予測』の中でも、一段とテロに注意すべきだと警告しておいたが、フランスやベルギーの同時多発テロのような多数の生命に関わる事件だけでなく、こうした情報流出も一種のテロ行為と言える。
この問題が実際にどこまで金融市場や証券市場などに影響を与えるかは未知数であり、全く先読みが出来ないが、日本の場合は特にこうした問題に関する報道が非常にお粗末なので神経を尖らせなければならない。
現段階ではこれを理由に株を売るというようなところまで深刻に捉えなくても良いかもしれないが、波乱要因の一つとして注意しておこう。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。