イギリスの国民投票の結果は「EU離脱」で、この結果、ドル円は99円台まで円高となった。ドル円の週足チャートを見ればわかるように、昨年の円安大天井、125円台から一貫して右下がりの大きな逆N字型トレンドが続いている。
アメリカはFRBが利上げに手間取っており、7月の利上げ予想も10%程度にすぎない。
注目は、7月に日銀が追加緩和を実施するかどうかだ。6月は見送ったが、7月10日の参議院選挙が終われば、政治を気にすることなく緩和を実施する事はあり得る。しかし、EU離脱の結果を受けて、前倒しで臨時会合を開くかもしれない。
とはいえ、日本の打つ手にも限界が見えて来ており、マーケットが余程衝撃を受けるようなサプライズの内容を用意しなければ、一時的に円安になっても、それで「材料出尽くし・追加緩和打ち止め」と捉えられれば、再び円高圧力が増すことになりかねない。
日本にとっては非常に難しい局面に入ってきた。アベノミクススタートによる円安株高は、昨年で大天井を打ったことを改めて認識する必要がある。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋・追記したものになります。