イギリスの国民投票は、大多数の見方はブックメーカーの予想通り、結局「残留」という結果に落ち着くと見られていた。ところが蓋を開けてみると、大番狂わせの「離脱決定」となり、全世界のマーケットがパニック状態に陥った結果、ドル円は一時99円台まで大幅な円高ドル安となった。1ドル=100円割れは2013年11月以来だ。
10ヵ月線とのカイリ率はマイナス11%に拡大してきており、これはかなりのレベルで、過去20年ほど見ても、行き過ぎた局面でも10ヵ月線とのカイリはマイナス11~13%のレベルで円高はピリオドを打ち、急反転することが繰り返されてきた。したがって、今回もとりあえず100円割れで良いところまで到達したと思われる。
ただ、一時的に円安に反転したとしても、これから今年後半はまた不安ムードが再燃して、再び円高が訪れることも考えられるので、現状ではあくまでもとりあえず100円割れで落ち着いたと見る程度にしておこう。
アベノミクスによる円安株高は、昨年で大天井を打った事を繰り返し指摘してきた。ここからは政府や日銀の対応が注目されるが、一旦天井を打ったものはそう簡単には元に戻す事は出来ない。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。