NYの原油相場は2月の26ドル台で底打ちした後、6月には51ドル台まで上昇した。しかし直近では1本調子で値下がりが続き、今月に入ってからはついに39ドル台まで下落して、3ヵ月半ぶりの安値に落ち込んでいる。6月の高値からの下落率は約23%に達しており、大きな下げ局面に入っている。早見も原油への投資は一切させておらず、現在もノータッチの状態だ。
このところの原油安は、再びアメリカの供給過剰懸念が高まってきた事が大きい。7月29日までの1週間で、アメリカの石油掘削リグ稼働数が5週連続で増加した。7月の月間での稼働数としては前月比44基増加したが、これは月間増加数としては2014年4月以来、2年3ヵ月ぶりの大幅な増加となり、供給過剰懸念に火をつけた形だ。
原油相場が底値から2倍近くに値上がりしたことで掘削リグの稼働が増えて来たのは当然だが、もろくも相場が崩れており、これで月足チャートでも10ヵ月線が再び下向くなど、また下げ局面入りが鮮明になっている。原油相場にはしばらく手が出せない状態が続くだろう。
■NY原油(9月限) 日足
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。