新潟県の泉田知事が8月30日に10月の知事選に出馬しないことを表明した。これを受けて株式市場では、東京電力(9501)の株価が注目度を高めて来ている。
泉田知事は新潟県柏崎刈羽原発の運転再開に頑として同意せず、全く歩み寄りを見せないまま手続きを進められなかった。しかし、その再稼働に向けての最大の障害となっていた泉田知事が知事選に出馬しないとなれば、突破口が開かれそうだ。
10月の知事選には、新潟県長岡市長の森民夫氏が原発再稼働賛成派の県議グループの支持を受けて出馬すると見られている。もし森氏が当選して地元自治体の了解を得られれば、原子力規制委員会の審査が順調に進んだ場合、平成28年度中に審査に合格する可能性があり、ようやく再稼働が実現する方向となるだろう。再稼働が実現した場合、原発1基で年間で約1000億円の収支改善効果があり、東京電力の経営立て直しに大きなプラス材料となる。
株価は昨年8月の最高値939円から延々下げ続けていたが、今年8月に343円と344円で二点底の形を作った。今週は週足のMACDもゴールデンクロスのところに来ており、今後の成り行きが注目される。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。