このところ半導体の世界的な需給ひっ迫が話題になり、自動車の生産に支障が出る事態になってきている。その半導体の需給ひっ迫でクローズアップされてきたのが意外にも味の素(2802)だ。世界最大の半導体生産拠点である台湾のTSMCが昨年秋ごろから半導体チップの絶縁体に使われるABFの不足にあえいでいることが明らかになった。ABFは味の素グループが開発した高性能半導体絶縁材で、世界の主要なPCにはほぼ100%味の素のABFが使われているとのことだ。なんと味の素が世界の半導体生産の命運を握っていることが図らずも明らかになった。
味の素の株価は昨年夏以降着実な上昇傾向を見せているが、今週は2,443円迄値上がりして2017年7月以来の高値になってきた。月足の一目均衡表でも雲の上に抜け出してきたが、これも2016年に天井打ちして以降で初めてで、じっくり取り組む投資家にとっては研究し甲斐があるように思う。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。