9月相場の最初の注目ポイントは2020年オリンピックの開催地決定だ。トルコ、スペイン、日本の3ヵ国の争いだったが、トルコは政情不安が高まっているので、スペインと日本の対決になると思われる。
人脈的にはスペインが有利とされており、問題点が少ない日本が当選できるかどうか大いに注目される。過去の例をみると、イギリスやアメリカなど先進国では、おおよそコンクリートの耐用年数に相当する50年ほどの間隔で複数開催されており、今回日本の場合には、1964年(昭和39年)の東京オリンピック開催から2020年で56年目となるので、サイクル的にはふさわしい。また、東日本大震災からの復興を成し遂げ、世界中への支援感謝の機会も作れるため、集客や話題性からは日本が有利だと思われる。しかし、IOCの人脈的にはスペインの方が有利であり、果たしてどう決着するか発表が待たれる。
もし、2020年東京オリンピック開催が決まれば、今回は競技会場が東京港お台場地区を中心として、その周辺に集中する形となり、東京港のベイエリア地域などの土地含み益は大いに注目されるだろう。例えば東京都競馬、東洋埠頭、ケイヒン、イヌイ建物、よみうりランド、空港施設などが代表的な銘柄群だ。
また、大手ゼネコンも注目されるだろう。前回1964年(昭和39年)の東京オリンピック開催時から長い年月が経っているため、競技場の立て直しや再開発が大きなテーマとなる。株式市場でもこのところ大成建設や東京都競馬など五輪当選を睨んでいるかのような株価の動きが出てきているので、大いに注目される。
もちろん、これらは東京が落選となればまるで当てが外れてしまうので、東京が当選か落選かで株価の運命を決めることになる。9月は、もし東京開催で決まれば株式市場も刺激するだろう。祈りながら待ちたい。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。