このところ株価は再び順調に値上がり基調になっているが、直近では特に新興市場が10月下旬の高値からある程度大きな下げ波乱に見舞われた。
今年5月から6月にかけての下げ局面の時もそうだったが、このように株価がある程度大きく値下がりしてくると、必ずと言っても良いほど大きな悲鳴を上げるのは特定の株に集中買いしている投資家だ。特に、信用買いをしている場合には大変なことになってしまう。自分では分散しているつもりでも、実は買っているのはバイオ株ばかりだったということがよく見られ、同じグループの株を持っていても下げるときは同じなので、分散投資の意味がない。
こうした投資家に共通しているのは「一度に大きく儲けてやろう」という欲張った考え方だ。思惑を先行させて、特定の株に集中買いをしたり、バイオ株がいいとみればバイオ株ばかりを選んで大きく大儲けをしてやろうと考える。当然信用買いで買うやり方になりやすい。しかし、株価は上げ下げを繰り返すもので、どこかで下げ局面が必ずやってくる。調整局面に入るとたちまち大損する羽目になりやすい。
早見のもとに悲鳴を上げて相談にくる投資家もこのパターンが一番多い。株式投資は利益が保証されているわけではなく、必ず読み通りに動くわけではないので欲に目がくらむと、そうした当然のことを忘れてしまう。
早見は以前から特定の株に集中買いをしないように、グループ・業種等を適度に分散し、買う時期も分散してできるだけリスクを軽減できるように指導をしてきたが、今後もそれは変わらない。特に信用買いをする投資家はこのことを徹底して頭に入れ、大きな損失で再起不能にならないようにくれぐれも注意して頂きたい。もちろんロスカットルールを守り致命傷を防ぐのは言うまでもない。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。