前回の当コラムでは適度な分散買いをしようと呼び掛けておいた。株式投資にあたっての注意点には、いくつか重要な事柄がある。
ロスカットルールを厳守することも非常に重要だが、見込み違いで株価が値下がりした場合のナンピン買い増しも、余程のことがない限りはしないようにと日頃からお伝えしている。
買った株が値下がりしてくると「ナンピン買いで平均買い値を引き下げれば何とかなるのではないか」と考えるのが多くの投資家の姿だ。人情としては自然のことだが、冷静に考えてみれば、買った株がナンピン買いしなければならないほど値下がりしたということは、何か問題があるからであり、迂闊に買い増しをするのはかえって投資資金をより多く寝かせてしまうことになりかねない。
もちろん株価が下げ止まれば結構だが、そのまま更にズルズルと下げトレンドが続いていく場合は、買い増しをした分だけ余計に損失が膨らんでしまうことになる。
したがって、買い値を多少下回っている程度ならそもそも買い増しをする必要はなくそのままで良いわけだし、大きく下げてきた場合には買った理由やタイミングに問題があったからだと受け止めて、ロスカットルールに従い手仕舞い売りをするか、あるいは買った時点から1~2ヵ月経過したところでものにならなければ手仕舞うというやり方をお勧めしている。
そのようにしておけば見込み違いでも損失が致命的に膨れ上がることもなく、投資資金が長期塩漬けになる恐れもない。ナンピンはあくまでも株価が上がるという思い込みで行うものであり、相場は見込み違いとなることもあるので、必要以上に投資資金をつぎ込むべきではない。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。