気象庁は、4月10日に今年の夏エルニーニョ現象が発生する可能性が高いと発表した。南米ペルー沿岸の海面の水温が上昇することによって発生するエルニーニョ現象は、日本では冷夏・暖冬に繋がる可能性が高い気象現象だ。
当レポートの発行には間に合わないが、4月25日に気象庁が7月までの3ヵ月予報を発表する予定で、今年の夏は果たして冷夏になるのかどうか、これから気になるところだ。
おおまかにいえば、エルニーニョ現象の発生による冷夏・暖冬は、言うまでもなく個人消費にはマイナス要因であり、景気全体には頭を押さえる原因になる。一方で、電力供給面ではエアコンの使用が抑えられ、大規模停電の不安は薄れる。そのようなメリットやデメリットは色々あるが、やはり景気全体にとってはマイナス要因として教科書通り受け止めておく方が良いだろう。
株式市場では冷夏によって株価が大きく上がるという程の強力な銘柄もなさそうだが、しいて言えば、農作物の被害が予想されるので、農薬関連株が注目されるかもしれない。また、気象情報への関心が高まりやすいので、ウェザーニューズのような気象情報会社も押さえておく必要がありそうだ。更に大規模なコメの不作に繋がるような事態になれば、より広く食料関連株が見直されるかもしれないが、現時点ではまだ先走りと言えそうだ。
これから夏に向けて消費税増税後の経済全体への不安感が高まるか、エルニーニョ現象の行方には注意しておこう。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。