6月はバイオ株で注目IPOが相次ぐ。まず、6月11日に東証マザーズにペプチドリーム(4587)が新規上場される。この会社は今期以降継続的に黒字が見込まれており、内外の大手製薬会社と共同事業を展開している点も安心感につながると見られる。このため、マーケットでは公開価格を2〜3倍上回る極めて高い初値がつくのではないかという観測が流れている。
続いて6月26日にジャスダックにリプロセル(4978)が新規上場される。この会社は京都大学のiPS細胞の特許管理会社であるiPSアカデミアジャパンからライセンスを得て、各製薬会社にiPS細胞を販売する元締めの窓口企業だ。売上の87%がiPS細胞で占められており、まさに昨年10月のノーベル賞受賞以降期待されていた、iPS細胞に直接投資できるバイオ企業がいよいよ登場することになる。
このため、マーケットではかなりの人気を集めるのではないかと期待が高まってきている。第2位の大株主で100万株保有しているニプロや、15万株保有のコスモ・バイオ、10万株保有のメディネットの3社が直接上場企業として大株主に名を連ねているほか、第9位の大株主であるバイオコンテンツ投資事業有限責任組合はジャスダックのPSSが100%出資するPSSキャピタルが運営するベンチャーファンドだ。
バイオ株はタカラバイオが5月9日に4295円の上場来高値を付けた後調整局面に入っていたが、6月相場ではリプロセルを始めとする有力バイオ企業のIPOが相次ぐため、買い人気復活が期待される。大いに注目していこう。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。