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「近くの戦争」で売られている2017.04.14

「遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り」という相場格言どおり、朝鮮半島情勢の緊迫化を背景に日経平均は1万8200円台まで更に下げてきました。一時的に反発しても5日線の辺りで値上がりが止まり、また崩れる繰り返しです。ドル円も3月下旬から110円10銭台で強力な下値抵抗ラインを作ったように見られていましたが、これを突き破り、108円70銭台まで一段と円高になっています。

朝鮮半島情勢は米中首脳会談が終わり、明らかにアメリカ側から中国側に北朝鮮問題での圧力をかけたことが伺われます。その内容は発表できるものではないので、共同声明も記者会見もありませんでした。12日にアメリカの国務長官がロシアを訪問して、これが最後の根回しと思われます。

北朝鮮では15日に「金日成・生誕105周年」の祝典が行われますが、アメリカの副大統領が16日~18日にかけて韓国と日本を訪問します。したがって、何らかの軍事的行動を起こすのは早くても18日以降と見られます。

アメリカ最強の海軍攻撃艦隊が13日~15日にかけて北朝鮮沖に到着すると見られます。アメリカ西海岸からも誘導ミサイル駆逐艦など、水上戦闘群もこれに合流する予定で、態勢は着々と整いつつあります。

26日が新月にあたっており、非常に気になるところですが、いずれにせよ今月18日以降、5月9日の韓国大統領選挙にかけての間は最も緊張が高まる場面です。北朝鮮はアメリカに宣戦布告をしたと同じですから、もはやアメリカ側も黙って見ているわけにはいかないでしょう。中国も北朝鮮に対する圧力を強めると思われます。

ただ、米軍が本格的な軍事行動を起こすには空母1隻では少なすぎるので、これに更に他の空母が加わってくる動きを見せた場合はいよいよ開戦を意識せざるをえないでしょう。その意味で、先日ハワイを出港したニミッツ空母群が西に向かっており、これが加わると米の北朝鮮への攻撃の本気度が高まります。まだしばらく時間的な猶予があると思いますが、日本にとっては戦後まもなくの朝鮮戦争以来、大多数の投資家や市場関係者が経験したことがない「近くの戦争」が現実味を帯びていますので、非常に難しい対応を迫られます。無理をせず、どのような株を買うにせよ、慎重に対処するようにしましょう。

なお、緊急事態の場合には早見のツイッターで情勢を速報すると共に、電話有料情報サービス(03-6892-4191)で臨時放送を行う場合がありますので、その際はツイッターで日時を告知します。したがって、日頃から早見のツイッターを注意深く見て頂きたいと思います。

※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋・追記したものになります。

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