日本時間、12月17日未明、FOMCは9年半ぶりに政策金利を25bp引き上げ、0・25-0・50%と決定しました。これ自体は高い確率で実施が見込まれ織り込まれていましたが、その後のイエレン議長の会見はタカハト両方が含まれており、市場(こと株式市場)をしっかり睨んでとんがらない内容になっていたという印象です。FOMCメンバーによる政策金利見通し=ドットチャートは、2016年末の政策金利が9月末時点よりもやや上昇し、1・375%で年4回の利上げ見込みがでるものの、2017年、2018年については据え置いたままとなり、市場を混乱させることなく無事通過となりました。
混乱させたのは18日の日銀会合です。
発表時間は12時50分、今年2番目(4月30日に13時4分あり)の遅さになりましたから、12時半を回った頃から市場には期待感が強まりました。50分の第一報は、為替側の情報ベンダーを見ると「現状維持」、株側の情報ベンダーを見ると「補完するための諸措置導入」と受け手のニュアンスが大きく変わる文言でした。
ドル円は当初、123円ミドルまで上昇するも株価の下落に連れて下げに転じ、株より一足先に安値を割り込み、121円90銭まで下げて推移しています。今回の日銀会合を見ると、もう円安を臨む姿勢が無いことを改めて確認しました。まして株価がこのような崩れ方をしてくるとなると、リスクオフの流れに向かいやすい懸念があり、目先は円高懸念が高まります。年の瀬に非常に嫌な動きになりました。こんなことになるのなら、いつも通り黙って現状維持を決定していた方がよほど良かったですね。
17日午後14時現在、ドル円チャートは非常に嫌な上ヒゲを引いています。(日経平均も同様に酷い上ヒゲになっています。)日足で高値圏で上ヒゲを引いて陰線つつみ足になるのか?年末押し迫ったところで、チャートに嫌な傷を作った印象です。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。