今週末の日本の3連休を前に、今年2月11日祝日の強烈な円高進行を彷彿とさせる円高が進行しています。16日のFOMCが想定以上のハト派内容となったことで、FOMC発表当日に織り込めきれなかった欧州勢の売りもあったと言われますが、3月17日の午後から夕方にかけてリスクオフの地合いが強まり、午後8時45分頃からドル円相場が急速な円高進行となりました。一時110円66銭まで続落し、今年になって2回つけていた111円割れの水準を下に割り込み、一段とチャート的に悪い形です。
ドル円相場を少し長いスパンで見てみると、105円から110円にかけてのドル円上昇相場では、大した節目をつけないままスルっと上がっていきましたので、これを下に割り込んでいく現在のトレンドでは下値の目安となるような節目が無い、ちょっと怖い相場地合いが懸念されます。
今回のアベノミクス相場のスタート地点、12年秋の77円10銭から、15年6月の125円85銭のFib0・618が、107円60銭になりますから、フィボナッチで見れば、107円ミドルの水準が一旦止まりやすい目安になるかもしれません。
110円台は、政府・日銀の為替介入への期待感も強まりますから、簡単にこの下値を割って来るとは考えにくく、一段の下値追いのドルショートも怖いですね。しかし、日本のお休みの時などは狙われるかもしれないという不安感や期待感が、一段の円高を進ませる可能性も拭えません。
つまり、いずれかの方向に決めつけてポジションを傾けるのは危険だと思います。
また17日の急変の相場では、一部FX会社でバットティックが発生したり、スプレットが急拡大した例も多いですから、FXの証拠金にもちょっと余裕を持っておくことをお勧めしておきます。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。