8月11日(木)早朝のRBNZ会合で利下げ見通しが強まっているNZは、7月21日に中央銀行が経済予測を発表しました。その中で、NZドル高に言及し「一段と下落する必要がある」「NZドル高でインフレ見通しが高まりにくい」とし、「追加緩和策を講じる可能性はある」という見通しを示しました。RBNZは1~3%のインフレターゲットを設定していますが、直近発表された消費者物価指数は+0・4%と、ターゲットをかなり下回っており、追加緩和策を講じる可能性は強いと見られています。
同国の住宅価格は、依然としてかなりの価格高騰が続いています。特に都市部では住宅不足が原因による不動産価格の高騰が止まりません。2015年の統計を見ると、NZへの純移住人口が史上最高の6万4930人となり、前年比27・5%増と移民が速いピッチで増えていることが確認されました。2000年に387万人だった人口は、2016年には469万人まで増えており、増えた労働人口は建設や観光関係を支えています。反面乳業不振や他国の通貨安政策のあおりを受けたNZドル高がインフレ圧力を抑えており、政府・中銀サイドはNZドル高の是正は必要不可欠です。
直近のNZドル円日足チャートを見ると、74円を挟んで上下2円程度のレンジが続いており方向感がありませんが、これ以上の物価安が進むようになると、RBNZはより強力な通貨安行動を行うかもしれません。
まずは、11日のRBNZとその声明による今後の方向性に注目です。一部では年内に1・75%まで政策金利を引き下げるという見通しも出ていますので、年内にもう1回の利下げに繋がる発言が出れば、やや売りが先行するかもしれません。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。