2016年のスタートに120円24銭でスタートしたドル円相場は、日銀のマイナス金利導入決定で121円まで上昇するも、BREXITや株安を背景に円は100円割れを試す動きも見られ、乱高下の激しい1年になりました。直近では118円まで上昇してきましたので、年内残り数日のところで年始スタートの値段まで残り2円強となりましたが力及ばず、年足は5年ぶり、アベノミクススタート以来初の陰線で終わりそうな見通しです。月足は年末にかけての10-12月が3ヵ月連続陽線となり、この形は1999年以降の動きを見る限り年足陽線の流れになっていましたので、直近では例の無い年足陰線という異例の形になりました。年中盤にかけての下値追いで全体水準がかなり下がっており、反転の円安も追いつけなかったというところでしょうか。
尚、1月の月足陽線確率は99年以降半々、その内年足陰線の翌年1月陰線は37%で陽線確率の方が高め、10-12月が3ヵ月連続陽線をつけた翌年1月の陽線確率は99年以降の5回中3回あり、確率60%となっていますから、この側面から見る限りは1月も引き続き円安地合いが続く可能性が高そうです。
さて、この急激な円安について20日の日銀会合の後に行われた会見で黒田総裁は「円は2月の水準に戻っただけ」「為替の水準に驚きはない」と現状の動きを容認する発言をしましたので、この発言も1つのトリガーとして、クリスマス休暇以降の新年度相場は、再び円安に火が着きやすい状況になりそうです。
今の市場はクリスマス休暇の調整地合いに入っており、ここから週末にかけて参加者不在でスカスカになります。押し目買いを狙って見ていきたいタイミングでもありますが、ひとまずはお休みして、新年度相場にエネルギーをためて行きましょう。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。