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重要イベントとして貿易収支復活か2017.02.10

安倍トラ会談を週末に控えて注目が集まっていますが、ドル円はじわりじわりと下値追いの動きになっています。

11月の大統領選挙開票日の安値101円18銭の安値と、12月14日の直近最高値118円66銭のfib38・2%の112円を割り込み、昨年11月末以来、約2ヵ月ぶりに111円台まで下落していました。目先は7日に発表された12月の貿易収支が予想450億ドルの赤字に対して、443億ドルの赤字と予想より悪化するという悪いシナリオが回避されたことで、ドル円は再び112円台に戻し、NYダウは先般のアイランドリバーサルを覆して史上最高値更新という強い動きになっています。

近年は米の貿易収支が大きなイベントとして注目されることはありませんでしたし、今回の貿易収支も無風通過となりましたが、トランプ政権が保護主義政策を強く推し進めていることから、今後は貿易収支の発表が為替の重要スケジュールとして意識されるようになるかもしれないという雰囲気が強まっています。

貿易赤字の解消には、長年日本が進めてきた円安政策を解消する必要があると考えるトランプ大統領ですから、今後は貿易収支を頭の隅に置いてドル円を見ていく必要がありそうです。

尚、この12月の貿易収支の対中赤字は9%減の278億ドル、対日赤字は10・7%増の65億ドルとなりました。その中国の1月の外貨準備高は2998兆ドルとなり、2011年2月以降で初めて3兆ドルを割り込む減少が続いています。米国の保護主義が一段と強まるようだと、人民元防衛に外貨準備による介入が引き続き行われ、外貨準備を減らしていくという可能性もあり、中国の動向を見る上でも米貿易収支が市場インパクトを高めそうです。

※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。

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