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貿易、地政学的面で次の変化が出る時2025.02.14

 注目されたアメリカの1月CPIが12日に公表され。前月比の事前予想は+0.3%に対し、結果+0.5%、コア指数も予想+3.1%に対し+3.3%と好結果となり、ドル円は直近下げた分をV字型の切り返しで全戻しし、154円台まで回復しました。一時200日線を割り込み151円も割り込みましたが、強い切り返しです。パウエル議長も「利下げを急ぐ必要はない」、政策金利は当面現状を据え置くとしており、FRBによる年内の追加利下げ思惑は後退しました。CPIの公表に先立ちトランプ大統領は自身のSNSで政策金利を引き下げるよう再び要求しました。利下げと関税を同時に引き上げることが米経済に有効であるとFRBへの圧力を強めた内容になりましたから、指標とパウエル議長のスタンスを見る限りは政策金利は年内据え置かれ、CPIの進捗によっては追加利上げの思惑なども浮上するかもしれませんが、トランプ大統領が強く阻止してくると考えられ、ドルの方向感は依然として不透明です。(追記:2/14はトランプ大統領が相互関税発言で再びの円高となり、152円台ですが、引き続きこうした動きの繰り返しが予想され方向感は定まりません)

 直近ではトランプ大統領による中国への関税の影響で、中国の鉄鋼メーカーの商品がインド市場に流入しており、インドの中小メーカーの景況感が一気に悪化していますが、今後も出て来ると懸念される世界に向けた関税による米保護主義政策で、インドに限らず多くの国の経済に影響が出ると警戒する中、地政学的面ではウクライナ戦争停戦に向けた動きも強まってきました。3年にわたる戦争が終了すれば、経済巻き戻しや1年後、2年後に向けてウクライナの食料資源の輸出も期待されます。影響を受けるユーロですが、対円では現在下値が155円前後、上値は175円からの右下がりのボックスの形になっています。これを上に抜けるか、下に抜けるか変化につきたい動きとして注目しています。

 このユーロに絡み、来週末23日はドイツで総選挙が行われます。現在はかつて長期政権を気づいたメルケル首相が所属した中道右派の「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」が首位を維持し、政権復帰の可能性が高まっています。ただしメルケル路線から脱却し、排斥方針が強まっている点が結果を分けそうです。先般極右政党と提出した「移民制限」法案が否決され、現在の党首メルツ氏の党内での求心力に疑問が付いています。

 日々金融市場はトランプカラー一色ですが、段々と右寄り政権が増えてきた欧州で大国ドイツがどのような政権となるか、ユーロを見るうえでも注目です。

※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより一部抜粋・加筆しました。

 

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