14日のNY時間に出たイエレンFRB議長のタカ派発言を受けて、ドル円・クロス円相場は一転してリスクオンの動きになりましたが、その中でも堅調さを見せる豪ドル円が直近高値を抜いて、87円78銭まで値を伸ばして2015年12月以来約1年2ヵ月ぶりの高値となっています。
同日のアジア時間に出た中国のCPIが予想以上に堅調だったこと、豪指標1月NAB企業景況感、信頼感共に予想を上回る堅調な数字が出たことで、買い安心感が出ていました。また1月のOPEC産油量が89万バレル減となり、対象10ヵ国が全て減産に対応したことが報じられたことも、資源価格の押し上げになることから豪ドルにプラス寄与しています。
加えてヒースRBA経済調査局長による講演で「中国の商品への莫大な需要は続く」「通貨安は競争力の改善に貢献」「直近の貿易は上手くいっている」と豪経済見通しについての前向きな発言も取り上げられています。しかし中国経済への不安は依然薄れませんし、先日発表された1月末の中国外貨準備は2011年2月以降で初めて3兆ドルを下回り、外貨準備の急ピッチな減少が懸念される状況は変わりません。その意味では以前のように強く買いを進めていける地合いではありませんが、目先はこの高値抜けをしっかり押さえて強い上昇に乗っていきたいですね。
豪株価指数をみると、豪ドル円が前回高値を抜いた2015年12月水準に対して、株価は現在約3%下回っています。豪ドル円の現在の水準にこの3%を乗せると90円です。200日線もその辺りで推移していますし、節目の大台という点からも、ひとまず豪ドル円90円に向けての上昇が続くかどうかを追いかけて行きたいと思います。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。