豪ドル円が16日、88円17銭まで上昇して直近高値を更新しています。16日に発表された1月の雇用統計を見ると、就業者数が予想1万人に対し、1万3500人、失業率は5・8%予想に対し、5・7%と改善しました。12月の就業者数も1万3500人から1万6300人に上方修正されており、一度落ち込んだ経済の回復が徐々に感じられる数値が出てきました。
21日に発表されたRBA議事録を見ると、豪ドル上昇を手放しで喜んでいるわけではないのが分かりますから豪側の意向を見ると顕著に上昇していきやすい地合いではありませんが、反面、他国との強弱を見ると落ち込んだ経済回復が高まってきた豪ドルが買われやすいという面が続きそうです。
さらに、追い風になっているのが鉄鉱石価格の上昇です。中国の鉄鉱石の取引価格が上昇しており、中国内の不動産建設や公共投資が活況なうえ、鉄鉱石そのものも高品位志向になっていることから豪州産のニーズが高まっています。豪州産は90ドルを超えて、1年間で価格は2倍にまで急騰しました。この資源市況の高まりが、豪財政に大きく寄与しそうな期待が豪ドル上昇の背景の1つになっています。
目先の注目指標は3月1日に発表される10-12月期のGDPです。前回は四半期で-0・5%でしたが、これがプラス転換できるかを注目です。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。