先月、突如思惑が浮上したカナダの利上げですが、12日のBOC理事会で25bpの利上げが決定しました。実に6年10ヵ月ぶりの金利変更となり、カナダドル円は89円33銭まで上昇し、2015年12月以来の水準となりました。声明を見ると、弱含みのインフレは重視せず、根強い不透明感を背景に、金利の先行きについては指標次第にするとして、追加利上げに言及することなく終わりました。しかし、この言い方は追加利上げを否定したわけでもありません。インフレが低くても、経済指標が強ければ利上げを行うという姿勢を示したことになりましたので、利上げ決定後も高値到達感の売りはあまり出ませんでした。
次回のBOC会合は9月ですが、さすがに連続利上げ期待はまだ高まらないと思われますから、あって12月6日(水)の会合のスケジュールを念頭に置いておきたいです。
その他クロス円を見ると、NZドル円やポンド円の動きが鈍くなってきました。メルケル独首相が暗に利上げを要求するような発言をしたユーロは現状でしっかりした動きになっており、オセアニア通貨ではNZに変わって豪ドルの方がパフォーマンスの良さそうなチャートになっています。豪ドル/NZドルチャートを見ると、現状では21日線を上に突破し、200日線を射程圏内に抑えています。豪ドル円は、ドル円が崩れるなかでも高値を保っており、ユーロ円同様に強い形になっています。
カナダドル円はちょっと中休みがあるかもしれませんから、少し押したところから再乗りするとして、今はユーロ円や豪ドル円についてサマーラリーを見ていきたいと思います。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。