このところしっかりした経済指標が好感されている豪ドルですが、こうなると付き物の「RBA高官による通貨高けん制発言」が出てきました。21日、デベルRBA総裁補佐が「豪ドルの上昇は豪経済の支援とならず」「通貨の強さは経済の調整を混乱させる」と通貨高を好ましく思っていない点を市場にくぎ差しました。続いて26日には、ロウRBA総裁が「豪ドルはもう少しだけ低い方が好ましい」と更にけん制し、これらの発言の連発に、少し動きが重くなってきました。
また26日の午前、注目の4-6月のCPIが発表され、結果を受けた最初の反応は豪ドル売りでした。事前予想+2・2%に対し、結果が+1・9%が嫌気されましたので、すぐに細かい数値を確認すると、トリム平均は1・8%(前回1・9%)、加重中央値が1・8%(前回1・7%)で、ここから算出する基調インフレ率(RBAが注視)は、前回同様1・80%となりました。昨年の1・50台からの回復基調は変わっていませんので、今回のCPIはさほど心配する悪い数値とは言えません。
この基調インフレが2%に乗ってくると、いよいよRBAが金利動向について何かしらの発言をせざる得なくなってくると思いますので、7-9月のCPI発表(10月末)の頃、豪ドルはまた思惑をはらんだ面白い動きをしているかと思います。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。