トランプ大統領が、昨今より報じられた輸入制限措置に署名をし、発動されることが確定しました。鉄鋼には25%、アルミニウムには10%の追加関税発動となり(上下変動の可能性あり)、現時点ではメキシコ、カナダが除外となりました。今のままだと中国はもとより、EUが猛反発をするはずですし、対象となる国との交渉を見守る展開が続きます。当然ドル円のトレンドは発生しにくく、毎日日柄で材料が変わる日々が今しばらく続くと見ておいた方が良いと思います。
また9日朝には、北朝鮮の金正恩総書記がトランプ大統領に対して首脳会談を求めたこと、会談の見返りに核・ミサイル実験を凍結するという事が報じられました。トランプ大統領は応じるとしており、北朝鮮での会談になるのか、中立国?での会談になるのか等の詳細が詰められていくと思いますが、果たして核・ミサイル実験の凍結を信じて良いものか・・・ただ、極東アジアの地政学的リスクは減退しましたので、その意味では目先は安心です。
8日の夜はECB金融政策会合がありました。ECB声明の中で、出口戦略についてのバイアスを削除されたことで、出口戦略が遠のいたとユーロ売りが出ています。前述のように貿易戦争の様相を呈しかねないアメリカの保護主義策が急ピッチで発動していますから、これを懸念した面もあるかと思います。ECBは2019年のインフレ見通しを前回の1・5%から1・4%に引き下げました。
ユーロドルは2008年の高値1・60と2014年の高値を結ぶ右下がりのトレンドラインが1・26前後に現在推移しており、また月足の一目均衡表の上限が1・22278にあり、これらが強力な上値の抵抗線にもなっています。出口戦略期待が遠のいたことで、ユーロ相場の目先は鈍い展開になりそうです。
雇用統計が終わって来週、日本の年度末に絡むレパ取りも出尽くした週後半あたりから、次の流れが徐々に出てくるかもしれません。短期で回して、次のトレンドを見ていきたいと思います。
※こちらのコラムは当ホームページ向けの書き下ろしとなります。