貿易戦争突入懸念が拡大2018.03.23

日本時間の23日7時38分、ドル円が105円を割り込んできました。直前に、先般より報じられてきた安全保障担当の大統領補佐官マクマスター氏が辞任し、後任にジョン・ボルトン氏が起用という報道があったことも重なり、これらをトリガーにドルが売られる展開で早朝からスタートとなりました。

その後、アメリカ側からカナダ、メキシコ、アルゼンチン、EU、韓国、豪州、ブラジルを関税適用除外にするという発表がなされ、日本も適用確定となった鉄鋼・アルミニウムの輸入制限が発効しました。報じるニュースには異例の展開と添えられていますが、トランプ政権スタートから1年ちょっと、異例づくめだったので、今更・・・という感じですね。

またアメリカは中国への知財侵害関税500億ドル相当を発表し、中国はこれに反発し「貿易戦争を恐れず」と反応しています。

今後の展開は分かりませんし、今は11月の米中間選挙に向けたトランプ戦略という図式が見えますから、今後長く展開されるのかは分かりません。貿易戦争激化という状況になるかは今は不透明ですし、決めつけてトレードは出来ませんし、真逆の材料がポンと出やすいのもこういう時ですから、スイングは避けておくのが無難です。

この地合いでもう1つ気持ち悪いニュースがあります。駐韓米軍が来月、軍人家族や軍属を対象に米本土への撤収訓練を行うと報じられている点です。この春、米朝首脳会談が行われる運びになっていますが、北朝鮮側ではミサイル発射の準備兆候も時折り見られますし、アメリカはこれまで一度も行ったことの無い米本土への撤収訓練です。極東アジアでの有事懸念は4-5月にかけて再び吹き上がってくる可能性があるかもしれません。

とにかく今は好材料になるようなものがありません。チャートは104円60銭まで円高が続伸し、2016年11月の大統領選挙の時以来の円高になってきました。トランプ氏が大統領選を制したころにスタートした円安は、約1年半できれいさっぱり消失した形です。その大統領選当日のドル円最安値は101円18銭です。

※こちらのコラムは当ホームページ向けの書き下ろしとなります。

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