3月27日、昨年9月に前総裁が退任して以降空席(副総裁が代行)してきたRBNZ総裁に、新政権から選出されたエイドリアン・オア氏が就任しました。氏の就任に先立ち、26日にロバートソン財務相とオア総裁が、「物価の安定」を掲げた中銀の政策目標に、新たに「雇用の最大化」を加えた合意文書に調印したことが発表されました。この雇用の問題については、先の総選挙の時にも現与党が公約の1つに進めていたもので、早速形になって表れてきました。これまでの1~3%のインフレ目標は据え置かれます。
現在のNZの失業率は、最新が2017年第4四半期の4・5%です。リーマンショック以降の2012年第3四半期には7・3%まで悪化していましたから、かなり回復してきました。今後は金融政策の際にCPIに加え雇用についての注目度が高まります。つまりCPIが加速しても、雇用が鈍ければ動かないという事になりますね。
尚、直近のNZのGDP貢献度は、これまで盤石だった乳製品輸出以上に観光収入が上回ったとのこと。南島を中心に自然アピールが強く、エアNZは子連れへの配慮配列なども先立って導入していることから、老若男女の呼び込みに成功しているようです。
オア新総裁による最初のRBNZ政策金利会合は、5月10日です。5月は豪ドルを中心にオセアニア通貨が荒れやすい季節柄。スケジュールをお忘れなく。
※こちらのコラムは会員向けレポートより抜粋した文章となります。