今週週初までかなり堅調な動きが続いていたドル円・クロス円及び為替・金融市場でしたが、5月23日早朝のトルコリラ円の急落によりドル円、クロス円が引っ張られたことから、チャートに大きなひずみが生まれてしまったままのロンドン時間、一気に円高が進みました。23日深夜(日本時間24日AM1時頃)、トルコ中銀が緊急会合で3%の金利引き上げを実施し、一旦対円で24円まで戻しましたが、これがまたキレイな戻りの場面を作ることになりました。というか、それも皆見越していましたよね?3%引き上げたところで、エルドアン大統領は引き続き利下げ示唆のスタンスを明示したわけですから、中銀の必死な抵抗が売り場の提供になっているという・・・。ただ、こうなると利上げだけではトルコリラ安はサポートできないので、中銀の次の行動は放置になるのか、必死の抵抗に別のプランを出すのか?このあたりは予想がつきませんが、トルコリラが再び安値を割り込むときは、ちょっと警戒が必要かもしれないと思っています。ドル円、クロス円、引っ張られますからね。
そして昨日(24日)の夜は、やはりと言うべきか?トランプ大統領による米朝首脳会談中止の発表でした。ここでドル円が一段の売りになり、一時109円割れを示現して、完全にチャートの形が崩れました。この数日のショック安でドル円は200日線を割り込み、MACDもデッドクロスしました。
ユーロの形も悪いです。先般イタリアの新首相が選出され、組閣が始まっていますが、このイタリアの新政権に不安が高まっており、政治不透明感がぬぐえません。既に直近安値の128円を割り込み、127円720銭まで下落して、月足MACDもデッドクロスです。ポンド円もにわかに総選挙の噂などが噴出しており、利上げ期待も剥落して下落が続いています。
週明けはアメリカの祝日を控えていることもあり、相場も落ち着きが見えませんからスクエアで閉じた方が賢明かと思います。
来週以降ですが、ドル円は108円60銭に大きな節目もありますし、利上げスタンスは変わっていませんから、ここからの一段売りを警戒するよりは安値をしっかり拾った方が良いかなと思っています。24日の夜、私もドル円の浅めのストップが引っ掛かりました。今はこういう地合いですから、想定していない色んな事柄が出て来ますし、その内容に対する相場の反応度合いを読むのはとても難しいな…というくらいに複合的に絡み合っている印象です。崩れた時は下に下にあっという間に進みますから、ポジションのストップは浅めに、判断はチャートに委ね、オーバーサイズでは取らないことを心掛けてちょっと落ち着くのを待ちたいですね。
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