ドル円相場が例年になくボラティリティが薄いと感じていたのが週初ですが、そこからグングン円安が進み、21日には112円80銭まで上昇してきました。米10年債も上昇してきて3%に乗せてきています。ドル円の直近高値は7月19日の113円17銭、この当時の10年債利回りは2・9%、その後8月にかけて3%乗せになる場面もありましたが、失速して2・85%を割り込んでいました。そこからの強烈な切り返しになっています。このまま10年債利回りも上昇して行くのか?という点でも注目されるのが、来週のFOMCです。
9月25-26日に開催されるFOMCでは、25bpの利上げが97・9%織り込まれており、政策金利は2・00-2.25%となる見込みです。利上げは既定路線ですから、注目したい点は経済予想とドットチャートです。政策金利水準については、今回利上げをして、今年は残り1回、12月が織り込まれており、来年については2回の利上げを行って3%水準で様子を見るというシナリオが現状は強いです。NYダウは再び新値となっており、株価は依然として最高値圏で推移しており、経済指標も悪くありません。特に今月発表されたISM製造業景況指数は61・3で予想値の57・7を大きく上回る14年ぶりの高水準になりました。この点からも経済予測を下方修正する可能性は低いと思われます。金利想定水準が横ばいのまま経済予測が引き上げられるようであれば株価には好材料になりますし、リスクオンの流れが一段とドル円相場を押し上げる要因にもなりそうです。
今は米中貿易摩擦を含め、これまでマーケットがネガティブに反応してきた材料にことごとく耐性が出来たかのごとく、特段の反応は見せません。24日には対中、中国による対米の追加制裁関税が発動されますが、これも懸念する必要は無さそうです。それよりは、24日に行われる2回目の日米貿易協議、そして26日の日米首脳会談においての内容に日本株がどう反応するかの方がドル円、クロス円動意のトリガーになりそうです。9月7日、トランプ大統領から「日本との貿易戦争も視野に入っている。日本がどれぐらい支払うべきか私が伝えた時に日米の友好関係も終わる」という発言、気になりますね。
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