NYダウの急落から、世界的な株安地合いになった今週ですが、週末12日金曜日の東京時間は日本、アジア共に出直りの動きになっており、ひとまず反発に転じたことで安心感が広がっています。ドル円も一時111円台まで下げる場面がありましたが、その後は112円台30銭前後での小動きが続いています。
このNYダウ急落のトリガーの1つとなったのが米中関係の悪化でしたが、その懸念の1つとして来週発表される見込みの半期に一度のアメリカの為替報告書で、中国を「為替操作国認定」するのではないかという懸念でした。1994年以来現在に至るまで、注視している国としては日本も含めて取り沙汰された国はありましたが、認定された国はありません。歴史的な大きな決断がなされるのか?という先行き不透明感が浮上しています。ただ、本日12日時点での報道では「財務省スタッフが中国を為替操作国に認定するにあたる理由は見つけられなかったと報告した」という動きが出てきており、まずは回避されたのではないかという雰囲気です。ただ、トランプさんですから最後の最後まで油断は出来ませんが・・・。
この株式市場の急落や米中問題に加えてもう1つ、この週末に注目されるイベントがあります。14日投票のドイツ・バイエルン州の総選挙です。
バイエルンの政党支持率は、メルケル首相のCDUと兄弟政党となるCSUが強大な支持率を有してきましたが、独政権の移民対応に不満を抱く、移民流入の玄関口となっているバイエルン州ではCSUへの支持が急速に減速しており、変わって極右政党である『ドイツのための選択肢』が支持を集めていることが以前より報じられておりました。まずこの選挙結果で、どれだけメルケル首相に対する不満が表れるかが一つ明らかになると考えられており、イタリア問題で再び欧州懸念になっている流れの追い風になるかもしれません。
来年は5月23~26日にBREXIT後、初の欧州議会選挙が控えており、また欧州の重要ポストとしてユンケル欧州委員長の後任をドイツから出すという見通しが報じられています。(当初はドラギECB総裁の後任をドイツからという話でしたが、貿易問題が高まってきていることで、その点で力のある欧州委員長狙いに変わった・・・なんて囁かれています。)
こういったスケジュールを前に、14日はドイツ最大都市の選挙の行方として一地方選挙ではありますが注目されています。
※こちらのコラムは当ホームページ向けの書き下ろしとなります。