「歴史的」な記録2018.12.28

12月24日、日本市場が休場の中、欧米市場は大きく下落しました。翌日25日の日本市場は1010円の急落、夜間は欧米がクリスマスで休場、そして、26日の夜に米株が1086ドルの過去最大の上げ幅を記録、主要3指数はいずれも2011年以来の4%以上の値上がりになるなど、大変乱高下の激しい動きとなりました。その間ドルは110円割れ寸前で一旦止まり、米株の上昇に歩調を合わせて大陽線で110円40銭まで上昇しましたが、その後は失速する動きになっています。

米連邦政府の一部政府機関が22日から暫定予算が執行し閉鎖状態になっている中、トランプ大統領は24日に「FEDが経済にとって唯一問題」とお決まりのFRBとパウエル議長批判、ムニューシン財務長官は23日に6大米銀トップに市場の混乱を抑えるため電話を掛ける、翌日にはFRB等にも同様の行動をしたことから、市場がかえってパニックになったという側面も報じられています。

対して急上昇の反発もまたハセット大統領経済諮問委員会(CEA)委員長が「パウエル氏のFRB議長ポストは100%安全」と更迭の噂を一蹴したことに起因するという、なんともアメリカの要人の発言に振り回される展開になりました。取引全体の85%が機械取引であるという現代の特殊性がいかんなく発揮されたということですが、クリスマス休暇を挟んで全体的に流動性が枯渇しがちだったということも含めて、より一層激しい動きになったのでしょう。でもこれでは手出しが出来ませんね・・・。

ドル円は直近の値動きで200日線を割り込み、200日線を挟んだ動きになっていましたが、年末最終日の28日(日本時間午後現在)は200日線に頭を抑えられて下回っています。現在の水準が110円60銭近辺、200日線はやや右上がりで111円02銭です。尚、今年の始値は112円51銭ですから、年足陰線は確定となりそうで、その場合3年連続年足陰線です。2000年以降現在までで年足陰線が3年続いたのは2002年~2004年にかけてだけで、3年以上続いたことはありません。年足の動きから見ると、来年は陽線も期待できそうなのですが・・・米金利上昇にストップがかかりそうなのであまり上昇期待は持てないかなという印象です。
 

今年も1年ご愛顧いただきありがとうございました。ドル円が年間通してボラティリティが低い、これまた記録的な年でしたが、来年は英のEU離脱といった大きな材料も控えておりますね。気を引き締めて参りたいと思います。
どうぞ皆様、良いお年をお迎え下さい。

※こちらのコラムは当ホームページ向けの書き下ろしとなります。

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