「為替ばんざい」(※会員向けレポート内コラムのため、当ホームページに掲載はございません。)で中国の経済指標について触れましたが、アメリカの景気指標も横並びで悪化が見えてきています。今月初旬に発表されたISM製造業、非製造業景況指数の悪化は前回レポートで触れた通りですが、15日に発表された12月のPPIは前月比-0・2%で落ち込みの大きさは2年4ヵ月ぶり、コア指数も予想を下回り-0・1%に留まりました。CPI前月比も-0・1%で9ヵ月ぶりのマイナスとなり、昨年12月に発表されたNAHB住宅価格指数は56と2015年5月以来の低水準に急落してきました。今回相場の高水準が2017年12月の74ですから、たった1年でかなり大きな落ち込みになりました。アメリカで強い指標が続いているのは雇用ぐらいです。ただ、雇用は当然遅行指標ですから、今後この水準が保たれるかどうかは非常に未知数です。
ただ、こういった悪い数字が続々と出ても、市場参加者はそれに対してネガティブな反応(ドル売り)には回っていません。というのは、悪い指標が出れば出るほど、FEDが利上げを出来ないという循環になるという事実が好感されていると思われます。もう利上げは望ましくないが、指標が好調=経済が好調である限り利上げをする材料は整ってしまうから、それを避ける材料こそ好感ということなのでしょうが、こういった市場コンセンサスの変化を捉えるのはなかなか難しいですね。
今後の指標については、米政府機関の一部閉鎖に伴い、今後発表が遅れることもあると思いますし、改定値で大きく変わることがあるという点も念頭に。今年は市場コンセンサスがどちらを向いているかを的確に受け取らないと、逆ポジばかり掴まされる年になりそうです。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。