このところ各国中銀のハト派転換が足並みを揃えている中、2月の会合で「2021年の初めには利上げ」と先ではありますが利上げをほのめかしたことから、メジャー通貨で唯一の明るい未来を提示したことが評価され、NZドルは安定した動きになっていました。しかし3月27日(水)10時に発表された最新のRBNZ会合で示された声明では、一気に強いハト色に変わりました。
・次の金利動向は引き下げの可能性が高い
・持続可能な雇用を最大化
・低く安定的なインフレ維持の為、かなりの長期間にわたって政策金利を拡張的なレベルで維持
・世界的な成長鈍化、国内需要の減少が要因
これを受けて、NZドルは対円で発表直前の76円43銭から75円22円まで短期間で一気に1円以上(▲1・6%)の急落となり、豪ドルも連れ安になっています。こうなると、利下げ懸念がどんどん高まることになりますので、2月22日にバスカンドRBNZ副総裁が銀行の自己資本の増大が金融のひっ迫を招き、利下げの必要性に繋がると示したことが、再び蒸し返されることになりそうです。
昨年末、RBNZは銀行の自己資本比率を引き上げる方針を検討すると表明しました。実際に決まると、銀行はそのために借入コストを増大させる可能性が高く、景気に大きな影響を及ぼすことになります。
AUD/NZDの長期豪ドル売りの流れは、そろそろ大きく転換してくるかもしれませんね。今週、今の時点で週足が底値で陽線つつみ足に変化しています。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。